夜の高層ビルをバックにシルエット……赤い眼だけが光る

いやあ、分かる、分かります。

なんか動員歴代一位とかいうので、下の娘を連れて観に行ったんですよ。TOHOシネマズに。TOHOシネマズデーとやらで、800円値引きの1人1,000円ていうことで。

で、結論から言うと、1,000円しか払ってないので、楽しかった!面白かった!お前らも見ろ!です。

ていうか、グダグダはライダーのお家芸、1号からの伝統ですし、ライダー集合もの劇場版は、お祭り映画なんです。いいんです、それで。

むしろ、伝統芸を、まざまざと見せつけられたわけで、昭和の雰囲気ぷんぷん、感動ものなんです。

ていうか、あの映画は、1号、2号、V3がサイクロンとハリケーンで飛んで来るあのシーンに集約されてるんです。いいんです。脚本とか、演出とか、予算が無くてキャステイングがアレだとか、そんなの無視。バイクに跨がったライダーがふぃーんと飛んで来る、それだけで、「きゃー」なんです。

最近、若手芸人が出るとネタ始まる前から、女の子が「きゃー」てなるアレと同じなんです。

ガンキャノンがやられそうになって、「あーっ」ていうところで、ビームライフルが飛んで来て、シャアが「なにぃっ?!」ってなると、向こうからガンダムが来る、「きゃー」てなる。一緒です。

もうね、とにかく、ライダーが結集しただけで、「きゃー」ですよ。クライシス帝国を倒すため集まった、あの時から幾年月。僕らは、再び、戦うために結集するんだ。何度だって復活する。それが仮面ライダーだっ!

もうね、脚本がアレとか、脳内補完の妄想でカバーですよ。

昭和のライダーで育ったお父さんのための映画です。館内は真っ暗で誰が誰やら分かりませんから、思いっきり声を上げて応援しましょう。難しいことは忘れて。


が、しかし。

バットマンの「ダークナイト」みたいな仮面ライダーが観たいのも事実。

いつもの廃工場や採石場以外で、バイクに乗り疾走する、追跡する、戦うライダーも観たい。カッコイー絵柄のワンシーンも観たい。

THE FIRST や THE NEXT は、そういうの目指してずっこけてるし、なんとかならんのだろうか。


世に2つのカッコいいシーンがある。

照明の消えた真っ暗な部屋で、強化材に火をつけるエイトマンと、夜の街に立つシルエットの仮面ライダー

ハリウッド製でも我慢します。誰か、お願い。