子ども手当について 一問一答

子ども手当制度を設けた趣旨は何ですか。

子育てにかける予算でみると、先進国の中で日本はGDP比で最も少ない国の一つとなっており、合計特殊出生率G7諸国中最低です。こうした状況を踏まえ、次代を担う子どもの育ちを社会全体で応援するという観点から、子ども手当を実施します。

  • 子ども手当は、次代を担う子どもの育ちを社会全体で応援するという観点から実施するものです。
  • 子ども手当の創設の背景としては、少子化が進展する中で、安心して子育てをできる環境を整備することが喫緊の課題となっていることがあります。特に、子育て世帯からは、子育てや教育にお金がかかるので、経済面での支援を求める声が強いという状況にあります。
  • 他方、子育てにかける予算でみると、先進国の中で日本はGDP比で最も少ない国の一つとなっています。また、合計特殊出生率G7諸国中最低となっています。
  • さらに、少子高齢化が進展し、現在は、3人の現役世代で1人のお年寄りを支える形になっていますが、2055年には1人の現役世代で1人のお年寄りを支える状況となることが見込まれており、思い切った対策を講ずることが求められています。
  • こうした状況も踏まえ、子ども手当については、子育てを未来への投資として、次代を担う子どもの健やかな育ちを個人の問題とするのではなく、社会全体で応援するという観点から実施するものであり、子どもを安心して生み育てることができる社会の構築に向けた大きな第一歩であると考えています。

子ども手当は所得制限を設けない理由は何ですか。高所得者優遇となっていませんか。

年少扶養控除(15歳以下に適用)が廃止されることとなり、子ども手当が支給された場合、高額所得者ほどその手取りは減少し、相対的に支援の必要な人に有利となる仕組みです。

  • 子ども手当は、次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援するという理念のもと実施するものであり、家計の収入の如何にかかわらず確実に支給されるよう所得制限を設けないこととしています。なお、諸外国の制度においても所得制限は設けないことが一般的です。
  • また、子ども手当の創設とあわせて、年少扶養控除(15歳以下に適用)が廃止されることとなっていますが、所得控除は、同額の所得を控除した場合、高所得者に適用される税率が高いことから、高所得者の負担軽減額は大きい一方で、低い税率の適用される低所得者の負担軽減額は高所得者より小さくなります。
  • 子ども手当は、相対的に高所得者に有利な所得控除から、相対的に支援の必要な人に有利な手当に切り替えるという「控除から手当へ」の考え方に沿って実施するものです。 このため、税制改正も含めた全体の政策をみた場合、高所得者優遇ということではないと考えています。

子ども手当の支給対象や支給額等の仕組みはどのようになっていますか。

平成22年度の子ども手当は、中学校修了までの子ども一人につき、月額1万3千円を父母等に支給します。支給要件は、子どもを監護し、かつ、生計を同じくしていること等です。

  • 平成22年度の子ども手当は、中学校修了までの子ども一人につき、月額1万3千円を父母等に支給することとなっています。
  • 子ども手当の支給要件は、子どもを監護し、かつ、生計を同じくしていること等となっており、所得制限は設けられていません。
  • 子ども手当の支給等の事務は、児童手当と同様、市区町村が行います。(公務員の場合は、お勤め先(所属庁)にて行います。)子ども手当を受給するための要件や手続きは、児童手当と同様であり、市町村への申請等が必要です。(手続きの詳細については、次の一問一答をご覧ください)
  • 平成22年度の子ども手当のお支払いは、基本的には、年3回(平成22年6月、10月、平成23年2月)です。お支払い月の前月分までの手当をお支払いすることとなります。なお、随時のお支払いを行う場合もありますので、詳しくはお住まいの市区町村へご照会ください。
    (基本的なお支払い)
    平成22年6月…4月分、5月分の2か月分
    平成22年10月…6月分、7月分、8月分、9月分の4カ月分
    平成23年2月…10月分、11月分、12月分、1月分の4カ月分

子ども手当の支給を受けるためにはどのような手続きが必要ですか。

子ども手当の支給を受けるためには申請が必要ですが、児童手当の既受給者の方は原則として申請が免除されます。

  • 子ども手当の支給を受けるためには、お住まいの市区町村(公務員の場合にはお勤め先(所属庁))への申請手続きが必要です。ただし、本年3月まで児童手当を受給されていた方については、新たに子ども手当の対象となる子ども(原則として中学生2年生と中学3年生)がいない場合は、申請が免除されており、新たな申請手続きを行わなくとも、子ども手当の支給を受けることができます。
    (申請手続)
    *児童手当を受給していない方で、子ども手当の対象となる子どもがいる場合
    →「子ども手当認定請求書」の申請手続き
    *児童手当を受給していた方で、子ども手当の対象となる子どもがいる場合
    →「子ども手当額改定認定請求書」の手続き
  • 市町村においては、申請等に基づき、受給資格に該当していることを確認のうえ、認定通知をお送りすることとなります。申請を受理されただけでは、支給が決定されたわけではありません。
  • なお、3月末に転居をした場合は、申請手続が必要となる場合がありますのでご注意ください。その他の手続きの詳細については、お住まいの市区町村にお問い合わせ下さい。

子ども手当はいつ支給が受けられますか。

子ども手当の支給は年3回となっており、最初の支給月は 6月です。

  • 平成22年度の子ども手当は年3回(6月、10月、2月)となっており、最初の支給月は6月(4月分と5月分の手当を支給)です。
  • 子ども手当の支給を行うお住まいの各市区町村において、手当の支給に向けた準備を進めているところであり、具体的な支給日については、各市区町村で異なりますので、各市区町村における広報等でご確認ください。

子ども手当は子どものために使われないのではないですか。

子どもを養育している家庭は確実にその費用が必要なので、こうした養育費用について、子ども手当によってその一部を賄っていただくこととなると考えます。

  • 子ども手当は、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援するために支給するものであり、子ども手当の支給を受けた父母等は、こうした支給の趣旨に従って子ども手当を使用しなければなりません。このことは、法律上も受給者の責務として規定されています。
  • 子ども手当が一人ひとりの子どもの健やかな育ちのために有効に用いられることは制度の意義にも密接に関わるものであり、子ども手当の趣旨や受給者の責務が十分に周知徹底されるよう、広報等に努めてまいります。

児童養護施設に入所している子どもにも子ども手当は支給されますか。

これまで児童養護施設に入所している親のいない子ども等には、児童手当が支給されていませんでしたが、平成22年度においては、安心子ども基金を活用し、子ども手当と同額を支給することとしました。

  • 子ども手当は、子どもの育ちを社会全体で応援するという理念のもとに実施するものであり、施設に入所している親のいない子ども等に対しても、子ども手当の恩恵が行き渡るべきと考えています。
  • しかしながら、今までの児童手当では支給対象となっていなかったことから、平成22年度においては、安心こども基金の活用により、施設に入所している親のいない子ども等について、子ども手当相当額が行き渡るよう、施設に対して特別の支援を行うこととしました。
  • なお、平成22年度においては、子どもを監護し、生計を同じくする父母等に手当を支給するという児童手当制度の支給要件を踏襲したことから、児童手当の支給対象となっていなかった児童養護施設に入所している親のいない子ども等には、子ども手当そのものは支給されません。

子ども手当は在日外国人の子どもが海外に居住する場合にも支給されるのですか。

児童手当では、過去30年間にわたり、日本人の海外に居住する子どもと同様、在日外国人の子どもが海外に居住する場合にも支給されておりました。
平成22年度の子ども手当においては、その支給要件を踏襲しましたが、その確認の厳格化を図りました。
また、平成23年度以降の子ども手当については、子どもにも日本国内居住要件を課すことを検討します。

  • 児童手当制度においては、1981年の「難民の地位に関する条約」の加入に当たり、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」の趣旨も踏まえ、他の国内関係法と同様、国籍要件を撤廃しました。それ以来、国籍にかかわらず、親等が日本国内に居住している場合には、その子について監護が行われ、かつ、生計を同じくしているという支給要件に該当するときは、その子が国外に居住していても、支給対象となっています。
  • 平成22年度の子ども手当については、このように1981年以来約30年間にわたり実施してきた児童手当の支給事務の仕組みを踏襲して実施することとしていますが、子どもが国外に居住する場合については、支給要件の確認の厳格化など、地方公共団体と連携を図り、以下のような運用面での強化を図っています。
    1. 少なくとも年2回以上子どもと面会が行われていること。
    2. 親と子どもの間で生活費、学資金等の送金が概ね4ヶ月に1度は継続的に行われていること。
    3. 来日前は親と子どもが同居していたことを居住証明書等により確認すること。
    4. これらの支給要件への適合性を判断するために、提出を求める証明書類について統一化。
    5. 日本国内に居住している翻訳者による日本語の翻訳書の添付を求め、その者の署名、押印及び連絡先の記載を求めること。
  • なお、国外に居住している子どもに手当が支給されることについては、平成23年度に向けた制度の検討の中で、支給対象となる子どもに日本国内居住要件を課すことを検討します。

なぜ、平成22年度の子ども手当から子どもの日本国内居住要件を設けないのですか。

子どもに日本国内居住要件を課した場合、今まで児童手当が支給されていた日本人の海外に居住している子どもが支給対象から外れ、不利益変更となることから、平成22年度については、児童手当の支給事務の仕組みを踏襲し、要件確認の厳格化を図ることとしました。平成23年度以降の子ども手当については、子どもにも日本国内居住要件を課すことを検討します。

母国で50人の孤児と養子縁組を行った外国人にも子ども手当は支給されますか。

母国で50人の孤児と養子縁組を行った外国人については、支給要件を満たしませんので、子ども手当は支給されません。

  • 子ども手当については、児童手当の場合と同様に、父又は母が子どもを監護し、かつ生計を同じくすること等が支給要件となっており、支給要件に該当することについて個別に市町村の認定を受ける必要があります。
  • 「監護」とは、養育者が子どもの生活について通常必要とされる監督や保護を行っていると、社会通念上考えられる主観的意思と客観的事実が認められることとなっており、養育者と子どもの間で定期的に面接、連絡が行われている必要があります。 また、「生計を同じくする」とは、子どもと親の間に生活の一体性があるということです。基本的には子どもと親が同居していることで認められます。しかしながら、勤務、修学等の事情により子どもと親が別居する場合には、従前は同居しているという事案が確認できるとともに、生活費等の送金が継続的に行われ、別居の事由が消滅したときは再び同居すると認められる必要があります。 子ども手当の実施に当たっては、このような支給要件について確認を厳格化するなど、運用面の強化を図ることとしました。上記の支給要件に照らせば、ご指摘のような事案については、支給要件を満たしません。

子ども手当の実施によって、保育所の整備が後回しにはなりませんか。

子ども・子育て支援としては、子ども手当の実施とともに、保育等の現物サービスの充実が車の両輪として不可欠であり、両者の充実を図ります。

  • 子ども・子育て支援としては、子ども手当の実施とともに、保育等の現物サービスの充実が車の両輪として不可欠であると考えています
  • 子ども・子育て支援の総合的な対策を推進するため、本年1月には、「子ども・子育てビジョン」を政府として決定したところであり、この中で、平成26年度に向けた保育等の数値目標を設定しているところです。
  • 保育所については、この数値目標の中で、定員を毎年5万人増やすことを目標としており、平成22年度予算でもそのための予算を確保しています。従来は、毎年、定員を2.5万人増やしていましたので、この目標値は従来の倍の整備を目指すものとなっています。
  • 子ども・子育て支援としては、子ども手当の実施とともに、保育等の現物サービスや、さらにワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立)を三本柱として推進し、子どもを安心して生み、育てることができる社会の構築に向けて全力で取り組んでまいります。