涙を流す

夢を見た。

どこかの河原というか淵で、娘とその友達と遊んでる。で、僕は、ああ、スコップが必要だなと考えて、クルマにスコップを取りに戻ったわけ。

すると、川下の方から、何やら紫色の雲がもくもくと現れて、そこから巨大竜巻が何本も垂れ下がってくるではありませんか。もうね、竜巻が色んなものを吸い上げて、こっちへやって来るのね。家とか、クルマとか、牛とか吸い上げて、グルグル凄い勢いで回りながら。

危ない、逃げろ、って叫んだんだけど、聞こえているのかどうなのか。淵で遊んでいる子供たちも、スルスルと吸い上げられていくわけ。夢中で駆けていくんだけど、なかなか辿り着かないし、竜巻はでかくなってくし。

ゴゴォォッ。

凄い勢いで衝撃がかすめていって、竜巻は遠ざかってしまうんだけど、あたりは色んなものが散乱してるばかりで、森閑として何の音も聞こえないのね。で、目の前に娘の靴が片方だけ残っててさ。

泣いたねえ。なんか、もうどーしようもなく泣いたねぇ。

でさ、しばらくすると、声が聞こえるわけ。

「うわあああん、ばばー、うわああん」

って、泣きながら、下の娘が走ってくるのよ。どうやら、上の娘が機転を利かせて妹の手を引いて、竜巻の進行方向と直角に逃げたらしいのね。それで、どうにか助かったと。

なんかもうね、抱きかかえたね。こう、ぎゅーっと。ほんで、泣いたね。さっきより、もっと泣いたね。

「ああ、よかった、ああ、よかった」って、言いながら。

で、ホントに「よかった」って声に出しそうになって、目が覚めたんだけどさ。

ナニですね。