運動会に見る人生の教訓

なっちゃん(グレープ味)は一等賞になりました。

なんの種目かというと、障害物競走なわけです。あの、星飛雄馬が、障害物を早く抜けることに勝機を見いだし、一方、早く走ることに重点を置き、障害を疎かにした速水譲次が負けてしまうという、あの障害物競走。

一般的には、網や跳び箱や正体不明の障害を乗り越えてゴールに一番早く辿り着いた者が勝ちという競争です。しかし、昨今の障害物競走は、障害が有るだけではありません。さらに、借り物競争じみた仕掛けが有るという複合競技なのです。

いくつかの障害の網をくぐり抜けた後に、コース上に置かれたカードを選ぶというボーナスステージが用意されているのです。カードには、アンパンマンバイキンマン等の絵が描かれ、そのカードに指示されたコスチュームで後半を走るという、まさに画期的なレース。(ついでに騎馬戦体型で、さらに二人三脚でも面白かったかも)

このレースの最大のポイントは、どのカードを選ぶかという点にあります。なぜなら、アンパンマンのカードを選ぶと、後半のコースを大幅にショートカットできるという、特典があるからです。つまり、ボーナスステージまでがビリだったとしても、一発大逆転、大どんでん返しがあるという、素晴らしい企画。

逆に言うと、アンパンマンのカードが引けなかった時点で、ほぼ敗北決定という、まさに人生の辛酸を味わわせる教育的スポーツ。努力がいかに虚しいか、速く走れるなどという能力が、いかに役立たないか、人生、タイミングに C 調に無責任だよという教訓を身をもって知る競技です。

さあ、なっちゃん(グレープ味)は、号砲と共にスタート。マラソン大会の時に、最後尾だし、疲れたから走るのやめようとか考えてたら、廻りが応援を始め、担任やら校長先生が伴走するもんだから、やめるにやめらんなくなって、スゲー損したとか言い出す、なっちゃん(グレープ味)ですから、もちろん、ボーナスステージ到達時には定位置の一番最後。残ってるカードも一枚のみ。

ところが、奇跡が起こります。そのカードこそが勝利への切符、アンパンマンだったのです。

なっちゃん(グレープ味)は、ショートカットコースを余裕で走り抜け、先行する全てのランナーを追い抜き、なおかつ、ゴール前で立ち止まり後ろを確認、皆が来るのを待って、後ろ向きにゴール。

なっちゃん(グレープ味)は、一発勝負っていうのは、「運」が何より大事だよなあ、と思いました。