チェーンテキストはイクナイ

チェーンメールが悪なのは、昔、メールシステムが脆弱だった頃、大量のメールが出回ると、サーバがパンクしたりするからだったのかもしれないけれど、今や、そんなこともないのかもしれない。それでも、チェーンメールが悪なのは、

  • 大量に同じ内容のメールが届けられ、不毛である。
  • その内容によっては、多大な影響を及ぼす虞がある。

というあたりかな。影響としては、短期的には、ある窓口に対して問い合せが殺到し、業務に差し障りが出るとか、長期的には、既に過去のコトなのに、未だに解決されてない問題として、メールが徘徊し続け、担当部署がその対応をしなければならず、煩わしいとか。それこそ、メール亡霊となり、尾ひれがついてデマと化し、とんでもないコトに……、とか。

緊急のために、チェーンメール為ざるを得ない場合に、期間を限定したり、ソースをはっきりと明示したりすれば好いんぢゃないか、という意見も有るには有るけれど、完全な制御が不可能である(どこで悪意が入り込むか分からないし、ミスも有り得る)から、チェーンメールにしてはならない、というのが、チェーンメールは悪であるという解釈。

で、チェーン日記等の所謂チェーンテキストは悪たりえるか、という話。

メール同様の問題は発生するだろうと考えられるわけで、

  • 短期的:問い合せ殺到→回線パンク→業務停滞
  • 長期的:亡霊化→数年後発掘→チェーン化→新たな事件を起こす

といった可能性は捨てきれない。ただ、今回の【あなたの善意の転載で自殺予告の子供を救って下さい!!】が、短期的な問題を起こすのか、と言われると、幸いなことに内容が無いために、関係各所に与える影響は少なかったんぢゃないかと思う。

チェーンテキストの完全な制御が可能なら、善意の転載は有り得るのだろうか。配布元の変更が二次配布先以降にも、即時反映されるなら、チェーンテキストも許されるのではないか。

例えば、この【あなたの善意の転載で自殺予告の子供を救って下さい!!】が転載されることで、実は自殺者が増える、或いは模倣犯が続出したという事実が判明した時に、オリジナルを消去、それが転載先にも確実に反映されれば、被害の拡大は防げるであろう。Yahoo!ブログの転載機能がどうなっているのか知らないが、object 要素の data 属性とかで、オリジナルを指定するような方法なら、比較的簡単なのかもしれない。)

OYAJI氏も同様に転載をコントロール出来る、或いはしようと考えていたようには見受けられた。記事の変更がなるべく早く反映されるようにと考えていたり、フラッシュニュース(?)を一緒に付けていたり。が、なにやら二次配布先とかに熱心に警告したりしていたトコロを見ると、コトはそう簡単でないようだ。(しかも、フラッシュニュースは宣伝ばかりで、意味が無いように思えた) おそらく、転載の完全な制御は、やはり不可能なんだろうと思う。

尤も、最悪の場合は、Yahoo!プログ内のコトは、運営側に依頼すれば、なんとかなるかもしれない。まあ、その場合、当該転載記事だけ削除するのが出来ず、アカウント抹消なんて騒ぎになれば、それはそれで面白かったのかもしれないけれど。しかし、その他のレンタルブログとかに波及してしまったものは、対処が難しいだろう。

この【あなたの善意の転載で自殺予告の子供を救って下さい!!】は、内容が無いという欠点に救われ、短期的にはなんの問題もなく経過したけれど、チェーンテキストの完全な制御が出来ないという点に於て、長期的には、ネットの亡霊テキストと化したわけで、数年後、模倣犯(自殺するという脅しの手紙を文部科学省に送る)が生まれる可能性は残したわけだ。

扨、転載を勧める行為の責任の所在なんだけど、確かに転載するのは、夫々の転載先の人達なわけで、転載しない自由もあるわけで、どちらにも責任が有る、とも言えそうだ。また、転載を勧めていなくても、勝手に転載され広まった場合、誰がチェーンテキストの悪の根源たりうるかという問題が有る。

ただ、言えるのは、「善意で転載してくれ」という最初の一歩が無ければ、転載の連鎖は起こりにくいんぢゃないかとは思うのだ。もっとも、記事全部が転載なんていう、お前なんのためにブログ書いてんだよ、とゆーよーなブロガーの多いYahoo!ブログにあっては、一概にそう言えなさそうなあたりが、なんともではあるが。

だが、ちょっと待ってほしい。なあに、かえって免疫がつく。と言いながら、次に続くかも。