中くらいの声で……仲間の集め方
ネットに対して、自分の意見を広く述べて多くの人に聞いてもらいたい、というニーズが存在する。これにはネットは向いているし、これを実現させるためのサービスも多く存在する。
一方、ネットを利用しながら、知っている仲間、身内とだけ交流したい、というニーズもある。これに対応できるサービスも多数ある。SNS、メーリングリスト、クローズドの掲示板など、選択肢は多い。
さて、これらに対して、中間のニーズも存在する。仲間だけではなくもうちょっと広い範囲で交流をもちたい、新しい出会いもしたいけど、大きくかけ離れた立場の人とは接したくない。いわば、中くらいの声でしゃべりたい、拡声器やマイクは使わないけど手をメガホンにして「誰かいませんかー」と数メートル先まで届くくらいの声で呼びかけたい、という層だ。
閲覧者、つまりリソースの利用者の数をコントロールしたいという話なら、一定数のアクセスがあったところで、リソース消滅というシステムで解決するかもしれません。
しかし、
アンプの設計で音量は調整できるけど、好意的に聞いてくれる人のみに届く拡声器(や伝送システム)は、どうやって制作するのだろう。
数の問題でなく、好意的な利用者(つまり『仲間』)のみに利用させるシステムということなら、リソース消滅システムでは解決しないかもしれません。
扨、この「中くらいの……」システムを考えるにあたって、世の中に存在する人を 3 つに分類します。
- 仲間(好意的な人)
- 敵(非好意的な人)
- どちらでもない(或いは、どちらか分からない)
3 番目の「どちらでもない」には、相当数の『仲間』が含まれるはずである、という予想が前提になります。(ここに「敵」しか居ない場合、「中くらいの……」は意味を成しませんので。)
SNS 等のクローズドなものは、特定の利用者にのみ、リソースを利用させるシステムで、考え方としては、「『どちらでもない』と『敵』を排除し、『仲間』にのみ利用させる」というものでしょう。これでは、『どちらでもない』の中に存在するであろう、潜在的な『仲間』を集めることができません。そこで、「中くらいの……」というシステムが必要になります。
では、「中くらいの……」が目差すものは何なのか。
それは、「『どちらでもない』と『仲間』に利用させるが、『敵』のみを排除する」システムです。
えーと、SNS 等のクローズドなものは、下記のような感じ。
order deny,allow
deny from all
allow from 『仲間』
『仲間』のみ、アクセス出来る。
この場合、『仲間』にのみ、個体識別信号を渡せば好いので、総 ID 制とかは必要ないのが利点ですね。
で、「中くらいの……」は、こんな感じ。
order allow,deny
allow from all
deny from 『敵』
『敵』のみ、アクセス出来ない。
で、問題は『敵』というフラグをどう立てるかというあたりで、これはデータベースとかが、既に出来上がってれば簡単ですが、無い場合は、自分でデータベースを作っていくしかありません。それと、どうしても全員に個体識別信号が必要になります(敵は、自ら好んで鈴をつけてくれたりしませんので)。総 ID 制とかが施行されないと、ちょっと現実的な運用は難しいように思われます。
うーん。総 ID 制とかが施行されたとして、『仲間』と『敵』、どっちの数が多いかが、クローズドなものと「中くらいの……」システム、どちらを選ぶかの条件になりそうですね。
あー、追記。
「はてな」内に限れば、このへんのことが出来そうですよね。つまり、あたかも『敵』が存在しないかのように振る舞うコトは出来そうかなと。
コメント許可をユーザーのみにして、『敵』ユーザーはコメント拒否します。また、トラックバックも同様に拒否します(あれ?コレは、自動トラックバックだけ有効なのかな?)。はてブの方も『敵』は非表示ユーザーにしておけば、なんとかなるかなあ。(あ、もちろん、『敵』ダイアリーは閲覧しにいっては駄目ですよ)
もし、「はてな」が世界の全てということで好いなら、「公開/非公開」設定にパブリックとプライベートに加えて、「ユーザーのみ」という設定が選べれば、ほぼ完璧かなあ。
『敵』のデータベースが無いのが、やっぱりアレですが、先駆者が自分で蓄積して、そのデータベースを公開すれば、後の人【誰】は簡単に世界が構築できそうかな。
はてな認証 API とか、どう使うのかよく知りませんケド、こういうものを他のサービスでも提供してくれたら、そのへんを使えば「中くらいの……」システムも割と簡単に構築できるのかな。提供してくれるサービスが多くなれば、どのサービスにも登録されてない人は『敵』認定ということでイケそうな気がするし。