パブリック空間とプライベート空間

また、自身のウェブサイトを『原則プライベート空間』と考えている僕みたいな人間もいれば、『パブリック空間』と考えている人間もいるということも。

ちゃんちゃん氏がどのように考えているのかは、詳細不明なのでアレですが、WWW における特定の場所がプライベート空間であるという考え方は、非常に興味深いと思います。

無断リンク禁止な人達(長いので「ムダリンキニスト」とします)が、WWW をどう捉えているのかという点が、リンクは自由である人達(長いので「フリーリンカー」とします)のソレと位相がズレているが故に、無断リンク禁止(長いので「ムダリンキン」とします)論争が起こっているのではないか、というコトは屡々言われてたりします。

で、実はムダリンキニストも、WWW がパブリック空間であるという認識は有るのではないかと思うのです。ただ、フリーリンカーとは、ちょっと違う意味でパブリック空間であると認識しているのではないかと。

では、どういうパブリック空間なのか。そうですね、例えばコンコースとか公園とか。

コンコースとか公園は、パブリック空間ですが、そこに人間が入場すると、人間の本能的な部分、縄張り意識により、疑似プライベート空間が作られます。多くの人間は、柱や樹木の近くに陣取り、その周囲数メートルが、テリトリーとして認識されます。後から入場した人間も、そこをテリトリーとして認め、侵入しないように気を配ります。

そこに、儀礼的無関心という社会生活のための通念が適用され、そのテリトリーは、見かけは完璧なプライベート空間へと成長します。まるで見えない壁が存在するようなことになります。

レストランや居酒屋のテーブル席。個室ではないので、壁や扉はありませんが、各テーブル毎にプライベートな空間を形成しています。そこに、断りもなしに「まあ、一杯飲めや」と参加されては、いい迷惑です。そのように WWW を認識しているのではないかと思うわけです。そこでは、「闖入されたくなかったら、個室をリザーブしろよ」という意見が、この際、的外れであることは確かです。

さて、WWW は、コンコースとか、公園とか、レストランや居酒屋のテーブル席と同じなのかどうか。

というところで、らたまいしゅう。