実名と発言する場所

天羽先生は山形大のサーバでブログ活動しないで、自分でサーバ立ててブログとかすれば好いのに、とかいう意見をどっかで見かけたんだけど、そん時はそーかもなあ、とか思ったんだけど、よく考えたら、ブロガーがその所属する団体のサーバでブログ活動を行うのは、特に実名で活動するなら、当然のことなのかもしれないなあ、とか思った。

山形大のサーバにブログがあるってぇことは、天羽先生は山形大の中の人であり、本人である証明でもあるわけで、そういう意味から考えると、goo blog でブログを書いている某先生は、実名なのかどうかの証明としては弱いよなあ、とか思った。というか、なんで所属する大学のサーバでやらないんだろう?

まあ、goo blog は、実名の詐称には煩いらしいけれど、同姓同名の人って言い逃れや、ハンドルの重複は仕方ないという判断らしいし、いや、あえて、実名なら、トレーサビリティに優れているという点からも、所属団体のサーバでブログ活動をしてほしいし、或いはドメインを取得して、whois で実名の証明をできるようにしてほしいかも。いや、ココログで活躍している弁護士の先生も同様だけどさ。

あ、ココログは、ちょっと違うかな。goo blog よりは証明の度合いが強いような気がする。

いや、もちろん、レンタルブログサービスをする企業が、十分に実名ブロガーの実名度合を保証するコトはあるわけで、ちなみに、株式会社はてなは、僕の実名も住所も知っているわけで、一概にレンタルブログだから、うそんこ言っても分からないぢゃん、ってことにはならないんだけれどもさ。

だけど、株式会社はてなは、僕が実名ではてダを始めたとしても、その実名がホントなのかうそんこなのかは、保証できないんだ、現状では。身分証明書の類いとか住民票とか提出してるわけぢゃないし、名前とか住所とか自己申告なので。

ごめん。株式会社はてなは、住所は知らないね。名前・誕生日・郵便番号・性別だけですね。必須なのは、誕生日と性別。

匿名・実名論の話で、現状、たんに実名を名乗っていたとしても、その真贋は何らかの証明が無い限り不明であるため、実名である(と言い張る)ことが、その記事に対してなんら担保しない、という意見がありますが、その実名の証明として、所属団体のサーバで活動する、というのは、非常に強い証明となるかもしれないな、という話です。実名論を全面に押し出す論者が、もし、こうした意見を無効にしたいと考えるのなら、簡単にアカウントが取得できるレンタルスペースで活動するのではなくて、所属団体のサーバで活動する、或は、信頼出来る機関の証明を受ける必要があるのだろうけれど、そんな意見どうでも好いと考えるなら、それまでの話で、実名を使うものは、全てその証明をすべきである、などとは思ってないし、そういう要求をしているわけではありません。

もちろん、ホントに実名かどうかは「調べれば分かる」わけで、それなら、こうして匿名ではてダを書いている私の実名も、「調べれば分かる」し、ほとんどのモノは「調べれば分かる」ので、実名である必要が無い。もっとも実名であれば、調べるコストが低くなるので、匿名でも、実名でも、全く同じであるとは言えないけれど。

ぱっと見、実名かどうか分からん論に対して、有効なのは「信頼出来る機関の証明」でありますが、現状、さくっと簡単にというようにはなっていないように思います。少なからず、調査する手間がかかりますし、ハードルが高い場合が多そうです。よって、所属団体の管理するサーバで活動する、というのは、さくっと実名の証明が出来る手段ではあります。

問題は、そこでの所属団体とブロガーの関係性ということになりますが、記者と編集とか出版社との関係のようなものであれば、言うこと無しなんですが、場所は貸すけど内容は知らんよ、という様な場合、つまり迷惑かけるなよという様な場合、そこでの発言には、かなり気を使うことになるだろうなとは思うわけです。

扨、ある言論に対し、苦情を申し立てようとするならば、コストはかかりますが、相手が匿名であっても、申し立てが可能です。プロバイダに問い合わせる等の方法(必要が有れば法的な手順)で、たぶん当人に辿り着くであろうと思われます。ならば、実名の必要は無いのではないか、とも考えられ、その点から行くと、ことさら実名の必要性を説く意味が分からなくなります。

また、今回の goo blog ブロガーによる、(当人ではなく)サーバ管理者に対しての要求というような方法もあり、例えば、僕の記事に対して何らかの苦情申し立てを行うには、私自身に連絡をとるか、もしくはメールアドレスの記載が無いとか、或は、連絡したが、それで期待した効果が得られなかった場合には、株式会社はてなへ申し立てを行うことが出来るわけで、匿名なので極端に保護されているというものでもないと思うわけです。

そこで株式会社はてなが要求に応えなかった場合、訴訟等の手段になるんぢゃなかろうか、と思うのですが、このへんの段取りで、なんか違うよ、という意見があったらコメントでもください。

ところで、今回の goo blog ブロガーによる削除要求を 発信者以外の他人を巻き込むという嫌がらせの手段 と考えている方も居るようですが、その要求の是非はともかく、手段としては正しいんぢゃないかと、私は思います。つまり、本人に連絡を取ったが、要求に応じてもらえなかった場合、サーバ管理者へ要求するというのは、筋の通った話であり、一概に嫌がらせとは言えないだろうと思うわけです。たまたま、今回は、サーバ管理者が、本人の利害関係に強く結びつくものであった、というだけの話で、例えば、件の goo blog ブロガーに対して、同様の要求(あのコメント欄は削除要求に値するものだと思うわけですが)をしたとして、本人が応じなかった場合、goo blog 運営に対して、要求することになると思うのです。かの goo blog ブロガーの上司や、所属団体に対してではなく。

で、ここから、「発言する場所」「なぜに実名論」という話に持っていこうと思うのですが、一旦休憩。

人が、その所属団体の域を超えて発言出来るかどうか。所属団体は構成員の保護をどこまで考えるべきか。

人が、公の場で発言する場合は、何かをかけて発言しなければならないものなのかどうか。敷居は高くなければならないのか。リスクを背負わずに、発言するのは好いことなのかどうか。

WWW は現実の延長であり、というか、社会に含まれるものであり、そこでは、社会のルールがそのまま適用される。「ネット」と「リアル」なんて二重構造は存在しない、と考えるか。世の中、敷居が高いんだよ、べらぼうめ、なのか。

いやいや、敷居の低い「ネット」というものを手に入れた以上、今さら「リアル」の延長にされてたまるか。見せかけの自由だろうと、俺は、この自由を手放しはしないぜ、で好いのかどうか。

現実でも、面と向かって罵倒できる人だけが罵倒できる。匿名でなきゃ、罵倒出来ないような奴はイナゴだ。帰れ、で好いのかどうか。

程度問題なんぢゃね?で済ませてしまって好いのかどうか。

そういや「こそこそ」だって、匿名だったら、なんでも「こそこそ」なんぢゃねーのか?「俺は、何処其処の某というものだが、貴様は間抜けだ」とかいう風に言わない限り、「こそこそ」だろ。って言われたら、返す言葉が無いよ。

いや、こそこそとしてないから、堂々としてるから「間抜け」って言っても好いのかどうかは知りませんが。

てゆーか、寝る。