ロケット・ロン

昔、2 輪の GP に、ロン・ハスラムつう男がいて、めっぽうスタートが速かった。押し掛けスタートの時代から、スゲー速いわけ。1 コーナーまでは。

押し掛けから、クラッチスタートに変わっても、速かった。

そういえば、押し掛けからクラッチスタートに変わったのは、平忠彦氏が同爆の YAMAHA ワークス 250cc マシンを押し掛けできずにスタート事故があって、それ以降色々検討されたから、とかいう話もあるけれど、それはどーでもよくて。

押し掛けしやすいエンジンってのは、スカタンのエンジン。なんか圧縮抜けてね?なんて感じの 2 サイクルエンジンは、1 歩で掛かったりするよね。

他にスタートの速さが圧倒的なのは、ランディ・マモラとか、フレディ・スペンサーも速かったよね。もっとも、スペンサーは、スタート『だけ』が速いんぢゃないので、一線を画すけど。

そういや、クリスチャン・サロンが負傷して、押し掛けできないからという理由で、グリッド最後尾降格という条件で、クラッチスタートを許可されたことがあって、そしたら、他のライダーから、「俺も怪我してたって、その方がいいや」と羨ましがられたりしてたこともあった。

とにかく、スタートが速いので、ついたあだ名がロケット・ロン。

まあ、いくら速くても、1コーナーあたりまでなので、ロケットの勢いで、そのまま優勝するわけではないんだが。

なんで、ロンの話を思い出しのかというと、電子制御の無くなった F1 を見てて、ああ、職人芸と言われるほどのスタートの技術を持ってる奴が出て来そうな予感がしたのね。というか、出てほしい。1 コーナーまでの、束の間の夢を見させてくれる、そんなロケットスタートのドライバー。