ちりとてちんと NHK 森本アナ
「ちりとてちん」終わってしまいました。面白かったですね、と感想を書いておく。
扨、森本アナの間が絶妙っていうのは、前に書いたんだけど、
「朝ドラあけのアナウンサーの表情についての意見は、昔からよく話題になります。ただ、残念ながら、アナウンサーはドラマを観てないんですよ(笑)」
というように、森本アナは直前のドラマを、たぶん見てないんだと思う。もちろん、おしまいの頃の数十秒は見てるかもしれないけれど。
民放では、番組が終わって、次の番組まで CM が入る。視聴者は、この CM の間に、今観たドラマの内容を咀嚼する猶予が与えられ。次の番組に新たな気持ちで臨む事が出来るわけだ。
一方、NHK では、番宣でも入らない限り、即、次の番組ということになる。特に朝ドラの後は、すぐニュースなわけで、気持ちの切り替えの無いまま、視聴者はニュースに臨む事になるわけだ。ドラマの余韻を噛み締めたいトコロなのに、いきなり何人殺傷とかなんとか下落とかいうニュースを聞かされるわけ。なんて無粋な!
で、森本アナは、ドラマが終わって画面は切り替わるけれど、発声するまでに微妙な『間』を置く事で、視聴者に余韻を楽しむ時間と、咀嚼する時間と、切り換える時間を与える事に成功したアナウンサーの一人なのである。
意図しているのかどうかは、難しいところだが、とにかく彼の発声までの『間』は見事な「技術」であったとしか言いようがないと思う。
このシーズン中、他のアナウンサーになる日も何日間か有ったのだが、彼以外のアナウンサーは、画面が変わった瞬間、カメラ目線で、読む気まんまんだったり、或は『間』を作ろうとするのだが、短すぎたりで、直前まで原稿に目を通してました、みたいな雰囲気があって、今一であった。
彼が、この『間』を作る事が出来るのは、おそらく、彼が早々に原稿の下読みなんかを終わらせ、落ち着いてキューを待ってるからなんぢゃないかと思うが、一度だけ、彼の『間』が無い時があった。直前でニュースが差し替えになったのか、彼にしては珍しく、いきなりカメラ目線で、ちょっと動揺していたような雰囲気であった。なんか、いつもの『間』が演出出来なかったのが悔しそうな感じでもあったのだが……。
そんな彼が、彼自身の 8:30 ニュース最終日、ちりとてちん最終回前日、所謂「確信犯」的行動に出た。
「明日の最終回もお楽しみに」
既に、WWW の一部では有名だが、いつもの『間』を取ったあと、第一声がこれだったのだ。
明日の最終回もお楽しみに
である。「ちりとてちん、いよいよ明日が最終回ですね、お楽しみに」ではない。いきなり、 明日の最終回もお楽しみに
なのだ。なにが最終回なのか、直前の朝ドラを観てなかった人には、さっぱり分からない。なのに、 明日の最終回もお楽しみに
なのである。
これは、8:30 ニュースの森本アナウンサーは、朝ドラを観ているんぢゃないか?という一部ファンの噂を逆手に取った、森本アナ、若しくはスタッフの凄い仕掛けなんぢゃなかろうか。その後、なんとなくスタジオがざわつく感じがするので、森本アナ単独犯という気もするが……。
いずれにしろ、ちりとてちんシーズン中、素晴らしい『間』を演出してくれた森本アナに賛辞を贈りたい。