国家の品格を読む前に

で、「国家の品格」なんだけどさ、それを読む前に、3 冊ほど読む本が有るのさ。

米中石油戦争がはじまった」、「中国の「核」が世界を制す」、「中国は日本を併合する」の 3 冊なのだ。

できれば、この順番で読んでもらうと、もうね「国家の品格」とか言うしかないよなあ、っていう気分に浸れます。いや、とにかく、嫌韓とか言ってる場合じゃないですよ、って感じか。

ガキの頃には、ジョークの対象だったわけだけど、いまや、アジアナンバーワンの超軍事大国なわけで、俺がヤバイなと思ったのは、98 年頃に買った、世界の国々とかいう本(国旗を調べたくて買ったのね)なんだけど、そこには断トツ一番の兵力を保有する国として掲載されてて、えーっ、と俄には信じ難かったんだけど、それが事実だし、なんかヤバイよなあ、て気はしてたんだけどさ。

で、まあ、上記 3 冊なんだけど、どれも中国の世界戦略について書かれているわけで、嘘くせーと思う方も居るだろうし、スゲーとか思っちゃう人も居るんだろうけど、俺ぁ概ね当たっていると思うのさ。今後の展開については、何とも予想はつかんけど。

さて、「米中石油戦争がはじまった」なんだけど、まあとっつきにはいいかなと。とりあえず、中国ちゅう国の考え方とアメリカの対応とか、どういうことになってんのかを掴むことはできます。ただ、この本の通り、アメリカが超軍隊国家として活躍できるかどうかは、疑問が残るし、だいぶ楽観的に見てんぢゃねーのかなー、という気はしますけれど。

この本では、斯かる事態に日本がどうすべきかは述べられていない。そこで、「中国の「核」が世界を制す」に移るのだ。

「中国の「核」が世界を制す」では、同様に中国の考え方が書かれているわけだけど、どのようにそれが進行してきたか、中国とアメリカの関係をもって語られています。外交政策の二つのパラダイムを解説することから始まって、日本の某党のような理想主義はともかく、世界がどのように動いてきたか、そしてタマなしクリントンの悪行と日本への影響から、日本がどうすべきかが語られます。

まー、読んでいると、くやしいやら、もうね、クリントンなんか宇宙の果てへぶっ飛んでけって感じなのね。

とりあえず、ここまでのまとめ。

中国を脅威たらしめるひとつには、核兵器保有しているという事実があるのね。で、米国が核兵器を持つ国とは戦争しなさそうという予想もあるのね。さらに、核の傘が幻想に過ぎないかもという危惧もあるわけ。そして、中国が覇権国家であるという予感もあるのよ。で、石油戦略とからんで、台湾危機が予想されると。すると同時に日本の危機も間近ってなことになるのね。

どうしたら、いいのさ。

そこで、伊藤貫は、日本に核武装を勧めるわけだ。結局、核兵器を持たない国は、ナニ言ったところで、誰も相手にしないよと。

まあ、ここまでの 2 冊は、なんか嘘くせーとか、クリントンの件なんか陰謀論じみて飛ばしすぎなんじゃんとか思う人も居るだろうから、現実的に中国軍の戦略ってどーだったのよ、ということで、3 冊目「中国は日本を併合する」に突入してくれ。

「中国は日本を併合する」では、実際に、如何にして中国が拡大してきたかが、具体的に分かりやすく書かれています。新疆やチベットへの進出の事実や、南沙諸島での既成事実の作り方や、もう読んでいるうちに暗澹たる気分にしてくれること請け合いなのです。

「中国の「核」が世界を制す」では、核兵器を話の中心に据えて進んでいきますが、「中国は日本を併合する」では、核兵器のパワー中心の話ではなく、その緻密な戦略を中心に話が進められていきます。もうね、真綿で首を締められていく感じ。

で、平松茂雄は、「日本の海を守る覚悟」が必要と締めていますが、具体的な方策は見えてきません。

さて、中国が台湾を併合しようとするのが、おおよそ 2010 年だとして、日本の危機まで、後 4 年。まあ核武装するたって、間に合いそうもないし、たぶん核武装することはないでしょう。ふーんだ、別に俺ぁ、中国に侵略されたって構わないもーん、という人はさておき、暗い気分になった人に、救いの本がある。それが、「国家の品格」というわけだ。