プンス力とスルー力、そして未だ見ぬ「力」

公開する事のリスクと儀礼的無関心 - カナかな団首領の自転車置き場】の補足。

先のエントリーで、2 つの WWW 観について述べました。

  • WWW にリソースを公開するという行為は、パブリッシングと同等である
  • WWW にリソースを公開するという行為は、パブリックな場所でのプライベートな行為である

この 2 つの WWW 観について、名前が無いので、便宜的に名前をつけることにします。

前者の世界では、互いに積極的にコミットする力「プンス力(ぷんすりょく)」が働くことから「プンスカフィールド」、後者では儀礼的無関心が効果的に機能しないと世界が崩壊するため、互いの「スルー力(するーりょく)」が要求されることから「スルーカフィールド」と名付けます。

スルー力

するーりょく。高林哲氏により発見された WWW の基本的な 4 つの力のひとつ。

プンス力

ぷんすりょく。id:fk_2000 氏により、最近発見された力。あんまり力は入れなくていいらしい。

ちなみに、4 つの力のうち、残り 2 つは、まだ発見されてませんが、id:ululun 氏により「弾力」が提唱されています。斜め上からの力らしいです。最後の 4 番目の力については、明後日の方向に働く力、「バ力(ばりき)」ではないかと、私は睨んでいますが、それはさておき。

「プンスカフィールド」では、プンス力が強く働き過ぎると(特に集団でのプンス力の合成)、しばしば発熱し引火点に達する「炎上(ビッグバン)」という現象が見られます。炎上現象が発生すると、熱により繁殖するネットイナゴの大量増殖なども観察されます。id:fk_2000 氏が「あんまり力は入れなくていい」と述べている理由も、このあたりかと想像されています。

また、プンス力は、互いにコミットし合う力として働きますが、その力には方向があることが確認されています。WWW 物理学では、ポジティブ・プンスとネガティブ・プンスと呼ばれています。ポジプン(ポジティブ・プンス)は、一般に顔をニヤけさせるものとされ、逆に、ネガプン(ネガティブ・プンス)は、苦虫を噛んだような顔になるとされています。また、ポジプンとネガプンはエネルギーの差が大きく、1 ネガプンは約 10 ポジプンに相当するとの研究報告もあります。ネガプンはプンス力の闇黒面という報告もあるようですが……。

一方、「スルーカフィールド」では、プンス力ゼロが安定要因なのかというと、そうでもなくて、ポジプンは愛される傾向があります。「素敵ですね」や「僕もそう思います」といった賛同・賛辞の方向のプンス力が求められるようです。なぜポジプンが求められるのかについては、「沈黙のオーディエンス」学説が有力です。

このフィールドでスルー力が強く働きすぎると、「沈黙のオーディエンス」現象が発生します。この「沈黙のオーディエンス」現象は、フィールドのスルー力の支配が強くなり、何を公開しても反応が無くなり疎外感を味わうという、プンスカフィールドの住人なら耐えられない状況になることを指します。

「沈黙のオーディエンス」現象を怖れる住人は、多くの場合、「素通り厳禁」「足あと」「拍手」といった方法で、ユーザーのプンス力を要求するようになります。しかし、勢い余って「B!」ボタンなどを付けてしまい、スルーカフィールドを離れ、プンスカフィールドに捕われてしまう住人も観察されています。

つまり、スルーカフィールドでは、スルー力だけではなく、弱いポジプンが働き、世界の崩壊を食い止めてるというのが、最近の WWW 物理学の主流になっているようです。

やさしい WWW 物理学入門講座、基本的な 4 つの力、明日は、id:ululun 先生の「呪文で召還、斜め上の力『弾力』について」です。お楽しみに。